おまとめローンは借金返済の強い味方として知られていますが、実はデメリットもあります。
おまとめローンを安易に利用してしまうと、後悔してしまうこともあるのです。
本記事では、おまとめローンのメリット・デメリットを徹底解説していきます。
この記事を読んでわかること
- おまとめローンとは?
- おまとめローンのメリット
- おまとめローンのデメリット
- おまとめローンを選ぶ際の注意点
- おまとめローンと任意整理を徹底比較
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目次
おまとめローンとは?
おまとめローンとは、複数の金融機関や賃金業者からの借入れを1つにまとめて、返済を効率化するためのローンです。
銀行のカードローン利用者における「おまとめローンの利用者」は約20%と言われています。
おまとめローンと借り換えローンの違い
「おまとめローン」とよく似たローンとして、「借り換えローン」と呼ばれるものがあります。
では、おまとめローンと借り換えローンは何が違うのでしょうか?
その決定的な違いは、以下のとおりです。
- 「おまとめローン」は、複数社から借入れしている場合に利用する
- 「借り換えローン」は、1社から借入れをしている場合に利用する
おまとめローンは、複数社からの借入れを一本化するためのローンです。
一方、借り換えローンとは、現在の借入れよりも好条件の資金を借入れて、その資金で契約しているカードローンを精算するローンのこと。
現在契約しているローンよりも、金利や返済月額など条件の良いローンは次々と提供されていきます。
それらの商品の1つを借り入れて、現在のローンを解約するのが「借り換えローン」です。
おまとめローンが向いている人
おまとめローンが向いている人をまとめます。
複数社から借入れをしている人
2社以上から借入れをしていて、借入れ額も返済額もバラバラで返済計画が立てづらいという人におすすめです。
「返済日が異なるので返済の手間がかかる…」「払い漏れが心配…」という人に、おまとめローンは向いているでしょう。
毎月の返済が難しい人
複数社から借入れがあり、「金利が高く毎月の返済額が大きい…」「返済日が給料日よりも前で毎月返済が大変…」という人にもおすすめ。
返済しているのになかなか借金が減らない人
金利が高く、「利息の支払いばかりで元金がなかなか減らない…」という人におすすめです。
おまとめローンのメリット
おまとめローンのメリットをまとめてみましょう。
毎月の返済額を軽減できる可能性がある
金利の低いローンへまとめることで、返済金額の負担を軽減できる可能性があります。
例えば、以下の借入れが複数社にある場合はどうでしょうか?
- 50万円(年利18%)
- 100万円(年利15%)
- 100万円(年利15%)
金利の低いおまとめローンに一本化すれば、金利負担を軽減できます。
- 50万円(年利18%)
- 100万円(年利15%)⇒ 250万円(年利13%)
- 100万円(年利15%)
一般的に借入れ金額が大きいほど、おまとめローンの金利は低くなります。
少額の借入れを複数社で契約するよりも、高額な金額の借入れを1社にまとめた方が、金利は低いです。
返済時の手間を減らせる
複数のローンをまとめることで、返済日や返済額の管理がしやすくなります。
複数社のローンがある場合、返済日や返済方法がバラバラです。
そうすると返済日を管理するのも大変ですし、払い漏れが生じることもあるでしょう。
返済日に支払いが遅れてしまうと、利息とは別に「遅延損害金(遅延利息・延滞利息)」が発生してしまいます。
おまとめローンにすることで、返済日が1回にまとめられるので、払い忘れのリスクを防ぐことができるでしょう。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンは、返済額を減らすことができるというメリットがある反面、デメリットもあります。
ここでは、おまとめローンのデメリットについてまとめてみましょう。
通常のカードローンに比べて審査基準が厳しい
おまとめローンは、通常のカードローンに比べて審査が厳しい傾向にあります。
おまとめローンを利用する場合には、金融機関や消費者金融の審査が必要です。
しかしおまとめローンを利用したい人の多くは、すでに他社からの借入れが複数あるため、どうしても審査基準が厳しくなってしまいます。
追加の借入れができない場合がある
おまとめローンは、基本的に「返済専用のローン」であるため、追加の借入れができません。
キャッシングやカードローンであれば、あらかじめ設定された枠内であれば自由に借入れ・返済を繰り返すことができます。
しかしおまとめローンは、基本的に返済専用の扱いになるのです。
利用限度額の範囲内であっても、追加で借入れすることはできないので注意しましょう。
自由に返済ができない場合がある
おまとめローンでは、契約時に月々に支払う返済額を固定するケースが多いです。
そのため、月々の返済額が固定されているおまとめローンに関しては、勝手に返済期間を短縮できません。
繰上げ返済する場合に、「繰上返済手数料」を要求するローンもあるので、繰上げ返済することで費用が発生してしまうことも…。
おまとめローンを選ぶ際には、契約時に支払う返済額が固定されている商品かどうかを確認した方が良いでしょう。
借入額すべてをまとめられるとは限らない
審査が厳しいおまとめローンでは、条件付きで審査に通過する場合があります。
例えば、100万円のローンを申し込んだものの「50万円なら融資できる」と条件付きで審査通過するケースです。
このように条件付きで審査に通過した場合、全ての借入れをまとめることができない…という場合もあるでしょう。
例えば3つのローンの総額が100万円あったとしても、2つのローンしかまとめられない…なんてこともあります。
金利が上がる可能性もある
おまとめローンを利用すれば、金利が下がるケースもありますが、逆に金利が上がってしまうケースもあります。
利息制限法によって上限金利は決定しますが、借入れしている金額によっては、おまとめ金利は変わらない、もしくは上がることもあるのです。
例えば、20万円を借入れしている場合の上限金利は、「年18%」になります。
20万円を3社に借りている人が、おまとめローンで60万円を1社から借入れしたとしても金利は年18%のままです。
この場合、金利を下げることはできません。
ローン会社や商品によって、適用金利は異なります。
元々借入れしていたローンの金利が低い場合は、おまとめローンに変えることで金利が上がってしまうこともあるでしょう。
支払い総額が増える可能性がある
おまとめローンを利用することで、支払い総額が増えてしまう場合があります。
例えば、これまで契約していたローンよりも、おまとめローンの金利の方が高い場合には、支払い総額は増えてしまいます。
また金利が低くなったとしても、月々の返済額を減らすために借入れ期間を長くすれば、利息は増えるでしょう。
そうすると金利は低くなっても、利息によって支払い総額が増えてしまうのです。
多重債務状態に逆戻りしてしまう場合がある
おまとめローンを利用すると、複数の借入れを一括返済することができるため、これまでの借入れ先は「完済扱い」になります。
そうすると、今までの借入れ先からは「優良顧客」として扱われるため、融資枠が拡大するケースがあるのです。
融資枠が拡大したことで、「つい再度お金を借りてしまう…」という人が少なくありません。
その結果、多重債務状態に逆戻りしてしまい、借金が増えてしまうこともあります。
おまとめローンを選ぶ際の注意点
おまとめローンを選ぶ際には、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
ここでは、おまとめローンを選ぶ際の注意点についてまとめてみましょう。
金利を確認する
おまとめローンを利用する際には、事前に金利を確認しましょう。
今までの借入れ先の方が金利が低い場合、おまとめローンを利用することで利息負担が増えてしまいます。
追加の借入条件を確認する
おまとめローンでは、利用者の確実な返済を目的としています。
そのため、追加の借入れができないケースが多いです。
ただし、金融機関によっては追加での借入れが可能なおまとめローンを取り扱っている場合もあります。
念のため、追加の借入れ条件は事前に確認しておくと良いでしょう。
借入件数を少なくしてから利用する
おまとめローンを利用する際には、借入れ件数を少なくしてから利用しましょう。
4社以上の借入れがある場合、おまとめローンの審査を通過するのが難しいです。
おまとめローンをうたった詐欺に注意する
おまとめローンのサービスを装った詐欺は多いです。
このようなケースは詐欺の可能性があるので、注意しましょう。
- 申込み時に利息の先払いを要求される
- 高額な手数料を請求される
- 個人情報を悪用するためにキャッシュカードやクレジットカードを送付させる
少しでも詐欺の可能性を感じた場合には、周囲に相談してみましょう。
また、おまとめローン商品を選ぶ際には、金融庁の「登録貸金業者情報検索」に登録されている業者かどうかを確認しておくと安心です。
返済期間が長期化する場合がある
おまとめローンを利用すると借金を一本化できるため、月々の返済額を少なく設定しやすくなります。
月々の返済額を少なくすれば生活は楽になるものの、その分利息が増えてなかなか元金を減らすことができません。
最終的に、返済期間が長期化してしまうケースもあるので注意しましょう。
おまとめローンを完済できないとどうなる?
おまとめローンの完済が難しくなった場合、他社から借入れしてなんとかしたいと考えるでしょう。
しかし、おまとめローンを借りていて、他社から借入れするのは難しいです。
おまとめローンを利用しているという情報は、銀行や消費者金融が把握しています。
そのため、借入れしようとしても「返済能力がない」と判断されて、審査に通りません。
おまとめローンを完済できなくなった場合には、債務整理などの法的手段を検討するしかないでしょう。
完済できなければ、リスクが高くなることを把握しておくことが大切です。
おまとめローンと任意整理を徹底比較
おまとめローンと任意整理の違いを比較してみましょう。
借入れ額
- おまとめローン:借入れ額そのものは減らない
- 任意整理:借入れ額を減らすことができる
おまとめローンを利用しても、借入れの元金は減らせません。
一方、債務整理を行えば、借金そのものを減額できる可能性があります。
金利
- おまとめローン:低くなる場合が多いが、ゼロにはならない
- 任意整理:原則、金利はつかない
任意整理をすれば金利はつきません。
一方、おまとめローンにすることで金利が低くなるケースは多いですが、ゼロになることはありません。
返済期間
- おまとめローン:長期化する可能性がある
- 任意整理:3~5年で完済できる
おまとめローンは、複数のローンを1本化することで月々の返済額を減らすことができます。
そのため、返済期間も長期化しやすいです。
一方、任意整理では3~5年での完済が可能となっています。
返済総額
- おまとめローン:増える可能性がある
- 任意整理:原則、元金のみを返済する
おまとめローンでは、返済期間が長くなる傾向があるので、利息分を支払わなければならず、返済総額が増える可能性があります。
一方、任意整理では利息分が減額されるので、原則元金のみの返済になります。
信頼情報
- おまとめローン:ブラックリストに載らない
- 任意整理:ブラックリストに載る
おまとめローンではブラックリストに載らないため、新規の借入れも不可能ではありません。
一方、任意整理をするとブラックリストに登録されます。
そのため、任意整理をするとクレジットカードや住宅ローン、キャッシングが利用できなくなります。
実際に任意整理をしてわかったメリット・デメリットは、他の記事にまとめています。
>>任意整理のメリット・デメリットを経験者が徹底比較して解説!
【まとめ】返済方法に迷ったら弁護士・司法書士に相談しよう!
おまとめローンは金利を下げることができる、返済管理がしやすい…と言われていますが、実際にはデメリットもたくさんあります。
金利が下がらない商品もありますし、返済期間が長期化する、追加の借入れができない…など困る部分も多いです。
返済方法に迷った場合には、自分1人で考えずに、弁護士や司法書士など専門家に相談してみましょう。
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