債務整理の手続きをする場合、安定した収入があれば任意整理か個人再生を選択することができます。(収入がなければ自己破産の一択です)
自分は任意整理と個人再生どちらを選ぶべきか迷ってしまう方も多いと思います。
僕も任意整理と個人再生どちらにするか迷いましたが、結果として任意整理の手続きを選んでいます。
僕にはカードローン5社・クレジットカード4枚・奨学金の借入がありました。
この合計10件の借金のうち、奨学金を除く9件の借金を対象に任意整理をしています。
任意整理の対象額は9件で約870万円。
弁護士事務所で相談をした際に、この金額で任意整理する人は珍しいですね〜と言われました。
本人の収入にもよりますが、1000万円以上の借金がある人は個人再生か自己破産の手続きが一般的です。
それでも僕は任意整理の手続きを選択しています。
今回は実際に債務整理で悩んだ経験をもとに、個人再生と任意整理どちらを選ぶべきか選び方のポイントと合わせて解説していきます。
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目次
個人再生と任意整理の違い
本題に入る前に、個人再生と任意整理の違いについて整理していきます。
細かいメリットとデメリットはいろいろありますが、重要なポイントは借金の元本が減るかどうかと債務の対象を選択できるかの2点です。
個人再生は借金の元本を減らすことができる
任意整理と比較した場合の個人再生の最大のメリットは借金の元本が減ることです。
任意整理では借金の元本は原則として減らず、これから発生する利息をカットする方法になります。
一方で個人再生は借金の元本を大幅に減らすことができます。
個人再生によって減らせる借金の金額は、借金総額によって異なってきます。
借金総額 | 個人再生後の借金額 |
100万円未満 | 全額 |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万円超1,500万円以下 | 借金総額の5分の1 |
1,500万円超3,000万円以下 | 300万円 |
3,000万円超5,000万円未満 | 借金総額の10分の1 |
個人再生は債務の対象を選択できない
個人再生をする場合は、自分が抱えている全ての借金が整理の対象となります。
少額しか借りていないカードローンやクレジットカード、さらには奨学金も対象となります。
奨学金は基本的に保証人を立てて借りていると思いますので、奨学金を抱えている方が個人再生をすると保証人に請求がいってしまいます。
これが個人再生の最大のデメリットといえるでしょう。
任意整理は自分が抱えている借金のうち、対象とする債務を選択することができます。
今まで通りに自分で利息を払いながら返していく借金と、任意整理をして利息をストップさせる借金に分けることができます。
少額しか使っていないクレジットカードは残して使い続けたり、奨学金などの保証人付きの借金は任意整理の対象から外すことが可能です。
個人再生がおすすめとなる人
それでは、ここから個人再生と任意整理どちらを選ぶべきか解説していきます。
借金の総額が多い人は個人再生がおすすめ
前述したように個人再生をすると借金の総額を減らすことができます。
どのくらいの借金が個人再生に適しているかは収入にもよってきますが、現在の毎月の返済が収入の半分を超えているようであれば、個人再生をして借金の総額を減らしていかないと厳しい生活が続いていくと思います。
任意整理がおすすめとなる人
借金の総額が多い人でも任意整理がおすすめとなる場合もあります。
以下に該当する人は、任意整理も検討していきましょう。
バレずに借金解決したい人は任意整理がおすすめ
個人再生の手続きは任意整理と比べて周囲に借金がバレやすいです。
周囲といっても友人や職場の人にバレることはないと思いますが、家族や親族にバレる可能性はあります。
まず、個人再生をする場合は同居している家族の収入を裁判所に報告しなければなりません。
例えば、配偶者が仕事をしていて収入がある場合は配偶者の給与明細も裁判所に提出することになりますので、そのタイミングでバレてしまう可能性があります。
また、同居している家族がいない場合でも奨学金がある場合は保証人に請求がいってしまいます。
奨学金を借りている方は両親や親戚を保証人にしている方が多いと思いますが、個人再生をすると保証人にバレて金銭的な負担もかけてしまうことになります。
以上のように個人再生によって借金がバレてしまう状況にあるけけれども、どうしても借金がバレたくない人は任意整理を選ぶしかありません。
クレジットカードを残したい人は任意整理がおすすめ
任意整理は対象とする借金を選ぶことができます。
クレジットカードは生活するにあたって必須!と考えている人もいると思います。
よく使っているクレジットカードを任意整理から外せば、そのクレジットカードを引き続き利用できる可能性があります。
ただし、任意整理の手続きをすることで信用情報機関に事故情報が記録されます(通称ブラックリスト入りの状態)
そのため任意整理をしなかったクレジットカードも利用停止となってしまう可能性があります。
任意整理してもクレジットカードを利用し続けられる場合もあれば、すぐに利用停止になってしまう場合もあります。
クレジットカード更新のタイミングで利用停止になったという話も聞いたことがあります。
任意整理する借金や利用するクレジットカードの種類によっても変わってきますし、クレジットカードの利用停止に関する正確な情報はないので、任意整理でクレジットカードを残す場合は利用停止になる覚悟でいましょう。
自力で借金を返済したい人は任意整理がおすすめ
これは少し気持ち的な話になってしまいますが、借金を自力で返済したい人は個人再生ではなく任意整理を選択しましょう。
個人再生は裁判所を通す手続きで、法的な力で借金を減らすことができます。
一方で任意整理は債権者に交渉して返済プランを変更してもらい、借りたお金を全額返済することになります。
借金の元本を完済することで、自分の中で納得感を得られるのであれば任意整理がおすすめです。
僕は悩んだ結果、任意整理を選びました
僕も個人再生と任意整理どちらを選ぶべきかすごく悩みました。
借金の総額が1,000万円を超えていたので当初は個人再生も検討していましたが、結果として任意整理を選択しています。
個人再生ではなく任意整理を選んだ理由は以下の2つです。
奨学金の保証人に迷惑をかけたくなかった
任意整理を選んだ一番の理由は奨学金問題があるからです。
僕は大学に通うために360万円の奨学金を借りました。
毎月¥17,000を返済していて、半分くらいまで返済が進んでいます。
僕の場合は父と叔父が保証人になっていますが、借金のことはバレたくなかったので個人再生はしませんでした。
1,000万円も借金抱えちゃったんだから、バレたくないとか言っている場合ではないという意見もあると思います。
ただ、親をこれ以上悲しませたくなったし、面倒なことになるのも嫌でした。
奨学金絡みの多重債務で苦しんでいる人は、けっこういるはずです。
現代の闇の一つなんじゃないかと思っているので、この問題については別途記事にまとめました。
個人再生しても自分自身は再生されない!?
もう一つ、個人再生を選択しなかった大きな理由があります。
これは借金を抱えた経緯にもよってくるのですが、生活費・ギャンブル・その他浪費で借金を作ってしまった場合に考えるべきことです。
個人再生をすれば借金は大幅に減り生活はラクになります。
毎月の返済が少なくなるので、一気にお金の問題は解消されるでしょう。
ただ、解決したい問題はお金だけなのでしょうか?
僕が心の中で本当に思っていることはそうではなかったのです。
お金を解決したいんじゃない、こんな自分を解決したい。
ダラシない自分、努力できない自分、問題を先送りにしてしまう自分。
こんな自分を変えていかなくてはならない。
借金の金額よりもこっちの方が重要でした。
そのためには、やはり借りた金額(元本)を自力で返し、その苦しみの中で自分を立て直しいく必要があると考えました。
これからは良いお金の使い方をして、今よりもっともっと稼げるようになっていきたい。
じゃあ、任意整理もしないで利息含めて全額返済すれば?と思うかもしれません。
僕もそう思って3年程過ごしてきました。
ただ、実際にやってみてわかりましたが、債務整理をしてないとカードローンやクレカの利用枠の分だけいつでも使えてしまうので、借りて返しての自転車操業生活で何とかなってしまいます。
永遠に借金が減っていかないだけで、目の前の1ヶ月を過ごすのは以外とラクです。
任意整理をしてしまえば、もう借入ができなくなります。
自分の収入の範囲でやり繰りしていかなければなりません。
僕は自分に甘いので、自分を追い込むためにも任意整理をしました。
借金解決に向けて動き出しましょう!
借金の解決をしていきたい気持ちが芽生えているのであれば、具体的なアクションを起こしていきましょう。
一番はじめにやるべきことは、弁護士事務所への借金の相談です。
現時点で個人再生と任意整理どちらにするか決められてなくても問題はありません。
借金の現状を伝えながら、債務整理の中でどの手続きを取っていくか?といった相談や、毎月の返済額がどのくらい減るか?といった具体的な話もできます。
僕もいくつかの弁護士事務所と相談をしましたが、返済プランについて一番良い提案をいただけたひばり法律事務所に任意整理の依頼をしました。
僕は任意整理を依頼しておりますが、個人再生や自己破産も含めた債務整理全般に強い弁護士事務所です。
その他、実際に相談してみて良かったと感じたおすすめの弁護士事務所についても紹介しておりますので参考にしてみてください。
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