皆さんは、自己破産にどのようなイメージを持っていますか?
しかし具体的に、どのような手続きか知っている方は少ないことと思います。
そこで本記事では、自己破産の特徴や生活への影響、費用などを解説しました。
現在自己破産を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んでわかること
- 自己破産の概要
- 自己破産のメリット・デメリット
- 自己破産するとどうなるのか?
- 自己破産の費用
目次
自己破産とはどんな手続き?
「自己破産」とは、財産・収入が不足し借金返済の見込みがないことなどを裁判所に認めてもらい、法律上借金の支払い義務が免除される手続きのことです。
自己破産をすると借金を支払う義務がなくなり、借金に追われることなく収入を生活費に充てることができるようになります。
自己破産のメリット
自己破産するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、自己破産のメリットを紹介していきます。
自己破産のメリット①:借金が帳消しになる
自己破産する1番のメリットは、借金が帳消しになることです。
裁判所から「借金の支払い能力がない」と認められることで、債務者の支払い義務がなくなるためです。
一方で、任意整理や個人再生などほかの債務整理では、利息や元金の一部が減額されるのみ。
自己破産のメリット②:借金の取り立てがなくなる
自己破産をすると、貸金業者からの取り立てがなくなることもメリットの一つです。
貸金業者からの取り立ては、精神的に追い詰められるストレスのもと。
激しい取り立てを行う貸金業者であっても、自己破産の手続きをすれば、業者に通知が送付された時点から債務者に対して取り立てを行うことができなくなります。
これは「貸金業法第21条」に記載されており、違反すると法律違反になります。
自己破産のメリット③:無職でもできる
自己破産制度には職業による制限はないため、裁判所に支払い能力がないと認められれば、無職やフリーターの方も自己破産をすることができます。
個人再生などは一定の収入がなければ利用できない場合がありますが、無職でも利用できる自己破産は、借金が膨らんで生活に困っている方にとってかなりの救済になるでしょう。
自己破産のデメリット
ここまでは、自己破産のメリットを紹介してきました。
しかし、自己破産することによって起こるデメリットがあることも事実です。
メリット・デメリットの両面を理解した上で、自己破産するか判断しましょう。
自己破産のデメリット①:一定以上の財産が差し押さえられる
自己破産の一番のデメリットは、家や車など一定以上の価値のある財産が差し押さえられ、借金返済に充てられることです。
差し押さえられるものの一例としては、以下のものが挙げられます。
- 不動産(家、土地など)
- 99万円を超える現金
- 売却・換価して一点あたり20万円を超える財産(車、預貯金、生命保険、宝石など)
このように、持ち家や土地などの不動産は没収を避けられません。
しかし、車については新車で購入後5年以上経っていれば、ほとんどが売却しても20万円以下になるため、没収を免れることが多いです。
また、自己破産で差し押さえられる財産の基準は各裁判所によって多少異なります。
自己破産の申し立てをする場合には、その裁判所がどのような基準を設けているか弁護士に聞いておくと良いでしょう。
自己破産のデメリット②:保証人に迷惑がかかる
自己破産の効果は、あくまでも申し立てをした本人に限られます。
保証人がいる場合には、保証人に債務の支払い義務が移り、保証人が取り立てを受けることになります。
そのため、自己破産することを決めた時点で、保証人に経緯や状況をあらかじめ伝え謝罪しておくことをおすすめします。
自己破産のデメリット③:ブラックリストに掲載される
自己破産をすると、「JICC」や「CIC」といった信用情報機関に事故情報として登録されます。
ブラックリストに載ると、ローンが組めなくなったりクレジットカードの利用ができなくなったりという影響が出ます。
自己破産のデメリット④:官報に掲載される
自己破産の情報は、国が発行している機関紙「官報」に記載されます。
しかし、官報は一般の人が見ることは基本的にないため、自己破産をしたことが周囲の人にバレる心配はほとんどありません。
ただし、官報を見て「融資可能です」とメッセージを送ってくる闇金融もいるので、注意しておく必要があります。
自己破産のデメリット⑤:自己破産の手続き中は職業制限がある
自己破産の手続きが進行している間は、一部就くことのできない職業があることもデメリットの一つです。
しかし、自己破産の手続きが全て完了すれば制限がなくなるので、その後は好きな職業に就くことができます。
自己破産手続き中に就くことのできない主な職業には、以下のものが挙げられます。
- 弁護士
- 司法書士
- 金融関係
- 警備員
- 税理士
- 生命保険募集人
自己破産できる人の条件
自己破産について解説してきましたが、手続きは誰にでもできるわけではありません。
ここでは、自己破産ができる人の条件を紹介します。
返済ができないと認められた場合
自己破産では、返済ができない状態かどうかを裁判所が判断します。
短期間の失業のような一時的な理由ではなく、抱えている借金の金額や毎月の返済金額などを鑑みて判断し、「返済する見通しが全く立たない状態」と認められなければなりません。
自分で「自己破産するしかない」と思っていたとしても、裁判所が認めない限り自己破産することはできなくなっています。
失業して収入がない状況でも、預貯金が充分にあり返済できる見通しが立つならば、自己破産は認められません。
借金の理由が裁判所に認められた場合
自己破産については、「破産法」を基準に認めるか判断します。
そして、破産法が定めている「免責不許可事由」に該当しなければ自己破産を認められます。
免責不許可事由とは「自己破産が認められない原因や事実」のことを言い、これに当てはまる場合は、債務者本人が返済すべきであるとして自己破産は認められません。
免責不許可事由に当てはまるケースとしては、以下のものがあります。
- 債務を負った理由がギャンブルなどの浪費が原因である場合
- 自らが支払い不能状態であることを認識した上で、債権者と金銭売買などを行った場合
- 債権者を侵害する目的で、自らの財産を減少させたり隠したりした場合
- 裁判所に対して虚偽の申告や説明の拒否をした場合
このような免責不許可事由がある場合には、原則として自己破産が認められません。
過去7年以内に免責を受けたことがない場合
自己破産は、裁判所が認めれば一生のうちに何度でも行うことが可能です。
しかし破産法では、自己破産を行ってすでに免責されたことがある場合、過去の自己破産から7年経過していなければ、再度自己破産することができないとされています。
7年を経過した後は、再度自己破産申し立てを行うことができますが、前回の自己破産のときよりも認めるか否かの判断基準が厳しくなります。
自己破産するとどうなる?
「自己破産を行った後の生活や収入はどうなるのか?」と不安がある方も多いと思います。
ここからは、自己破産を行った後の仕事や生活について、どのような影響があるのかを解説していきます。
手続き後は貯金できる
自己破産手続き後は借金の返済義務がなくなっているので、手続き後に新たな金融資産を手にした場合は全て自分の手元に残ります。
手続き後であれば、給料をいくら稼いだとしても貯蓄に充てるなど自由に使うことが可能です。
仕事への影響はなし
自己破産手続き中は一部就けない職業があると前述しましたが、仕事自体はこれまで通り変わりません。
自己破産前と変わらず仕事をすることができます。
また、内密に手続きが行われるため勤務先にバレる心配もないでしょう。
ローンやクレジットカードが利用できなくなる
自己破産をすると、ブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録されると、住宅ローンや自動車ローンといった支払い全般のローンを5〜10年程度組むことができなくなります。
クレジットカードも同様で、信用情報機関に自己破産の記録が残されてしまうため、カードの利用および新規作成ができなくなります。
自己破産が家族に与える影響
自己破産をする上で、家族にはなるべく迷惑をかけたくないですよね。
しかし自己破産することにより、破産者の家族にも少なからず影響が出てしまいます。
ここからは、自己破産することで家族にどのような影響があるのかを解説するので、影響の大きさを考えた上で自己破産手続きを検討しましょう。
持ち家がなくなる
前述しましたが、破産者本人名義の20万円以上の価値のある資産は差し押さえの対象になります。
そのため、破産者名義の持ち家がある場合、持ち家が差し押さえられてしまうため、引っ越しせざるを得なくなります。
その結果、転居の場所によっては、子どもが転校することになったり配偶者の職場が通いにくくなったりするなどの影響も出てくるでしょう。
家族が保証人だった場合、返済義務が残る
自己破産をした場合、家族が保証人になっていると家族に返済義務が移り、債権者からの取り立てを受けることになります。
家族が保証人だった場合には、結局のところ家計としてはあまり変化がありません。
自己破産の費用目安
自己破産の手続きにかかる費用は、大きく分けて裁判所費用と弁護士費用の2つです。
ここでは、自己破産にかかる費用を項目ごとに説明しながら解説していきます。
【裁判所費用】
申立手数料:1,500円(目安)
裁判所に申立する際に必要な収入証紙代などの費用。
予納郵券代:3,000~15,000円(目安)
自己破産したことを債権者に文書で伝える際に使用する切手代。
予納金:1〜50万円(目安)
自己破産手続きに伴う様々な費用をまかなうために、裁判所に収める費用。
官報に氏名を掲載するための費用や、財産の調査や売却をして債権者に配当する破産管財人への報酬が含まれます。
また、予納金は以下の項目別に費用が変わります。
【同時廃止事件】
換価するほどの貯蓄や不動産などがない人が自己破産をする場合の手続き方法です。
予納金の相場は1〜3万円程度で、財産の差し押さえ手続きがないため、費用は比較的安く済みます。
【管財事件】
完済できるほどではないものの、本人にある程度の財産がある場合に行われる手続きです。
裁判所が破産管財人を選任するための費用や、破産管財人が財産の調査や換金・債権者へ配当の手続きをするための費用がかかります。
最低でも50万円の予納金が必要となるのが一般的です。
【少額管財事件】
管財事件の中でも、財産の種類が少ない場合や弁護士に手続きを依頼している場合になる可能性のある手続きです。
予納金は裁判所によって変わりますが、20万円程度が目安です。
少額管財の手続きができる裁判所は限られています。
続いては、弁護士費用の目安を紹介していきます。
【弁護士費用】
着手金:20〜30万円
弁護士に仕事を依頼したときにかかる費用です。
途中で委任契約を解除しても返金されません。
成功報酬:0〜20万円
自己破産の手続きで、最終的に免責が許可された際にかかる費用です。
事務所によっては成功報酬は無料で、その分着手金が割高な場合もあります。
債務整理は複数の事務所に相談してから依頼先を決めましょう
自己破産の対応は司法書士ではなく弁護士事務所に依頼することになりますが、弁護士事務所は日本中にたくさんあります。
どの事務所にお願いすれば迷ってしまうと思いますが、僕の体験談から感じている債務整理の依頼先を選ぶ最も重要なポイントは事務所との相性です。
相談内容を聞いてくれる担当者や弁護士が信頼できる人かどうか知るために、まずは電話での無料相談から始めることをおすすめします。
個人的には大手の事務所よりも、債務整理を専門にする中規模の弁護士事務所が費用も安くおすすめです。
僕はいくつかの事務所に相談をした結果、ひばり法律事務所に債務整理を依頼しました。
弁護士の先生にインタビューもしてきたので含めて参考にしてみてください。
迷ったらここ!債務整理の経験者が選ぶおすすめの弁護士・司法書士
ひばり法律事務所
【僕も任意整理を依頼しました!】
とにかく毎月の返済負担を減らしたい!という僕の意向を聞いていただき、真剣に相談に乗っていただけました。
全ての借金を希望通りに和解でき、借金の負担を大きく減らすことができました。
↓↓訪問して取材させていただきました!