多額の出資金を集めて、大きなプロジェクトを成功させることができる「クラウドファンディング」が注目されています。
しかし近年、クラウドファンディングでの詐欺が増えており、問題となっているのです。
集まった資金を持ち逃げするケースや、出資に対するリターンが説明と全く違うケースなどさまざまな事例があります。
そこで本記事では、クラウドファンディングに関わる詐欺について、実際に起こった事例を解説しながら、詐欺に遭った時の対処法や見分け方を解説していきます。
この記事を読んでわかること
- クラウドファンディングとは?
- クラウドファンディング詐欺の種類
- クラウドファンディング詐欺の見分け方
- クラウドファンディング詐欺に遭った時の対処法
ネット詐欺の相談におすすめの専門家
おすすめポイント①全国対応
おすすめポイント②費用の分割・後払いOK
おすすめポイント③フリーダイヤルですぐに相談可能
相談はこちら:目次
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングはcroud(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた造語。
インターネットを介して多数の人から少量の資金を調達し、プロジェクトの運用資金を調達する方法です。
クラウドファンディングの特徴はインターネット上で完結するということ。
1人1人にプレゼンをしたり、面と向かって出資をお願いしたりすることはありません。
基本的にクラウドファンディングでは、出資者と起案者が直接やり取りをすることはなくクラウドファンディング会社がその間を仲介します。
日本でクラウドファンディングが普及したのは2011年以降。
有名なIT企業も参加するなど年々その市場は拡大し続けています。
クラウドファンディングでは、以下のような資金調達に用いられるケースが多いです。
- 芸術的・創造的なプロジェクト
- 医療費
- 旅行
- 貧困救済
- コミュニティ志向の社会起業家のプロジェクト
また、クラウドファンディングは以下3つのタイプに分けることができます。
- 寄付型:出資者から集めた資金でプロジェクトを実行し、対価の提供が予定されていない
- 購入型:出資者から集めた資金によりプロジェクトを立ち上げ、プロジェクト実行後に対価を提供する
- 投資型:出資者から集めた資金により事業展開し、事業から得られた収益を出資者に分配する
クラウドファンディングの詐欺が増えている?
最近ではクラウドファンディング詐欺が問題となっています。
特にコロナ禍になり詐欺件数は増加しているようです。
2020年度、国民生活センターに寄せられたクラウドファンディングに関する相談件数は200件以上。
以下のような相談が多く寄せられています。
- リターンの商品が届かない
- 発案者からの返信が来なくなった
企画者の見立てが甘くてトラブルなるケースも多く、仲介するクラウドファンディング運営会社は、支援者が安心して利用できるように審査体制の強化に力を入れています。
クラウドファンディング詐欺の種類
クラウドファンディング詐欺には、いくつかの種類があります。
募金型クラウドファンディングでお金を持ち逃げされる
募金型クラウドファンディングで資金を募り、集まった寄付金を持ち逃げする詐欺です。
募金型クラウドファンディング詐欺は、東日本大震災以降に頻発しています。
「熊本地震の震災復興のために寄付をしてほしい」というクラウドファンディングでは、そのまま持ち逃げしたケースもあるようです。
約束したリターン品が届かない!予定と異なる商品が届く
購入型クラウドファンディングはプロジェクト実行後に対価を提供しますが、約束したリターン品が届かない詐欺が増えています。
以下、事例を紹介しましょう。
事例1
Aさんはクラウドファンディング仲介サイトで「アイスシルク(絹)生地の冷感マスクをコロナ禍で緊急生産する」というプロジェクトを見つけました。
21,000円の支援金の見返りに、絹製のマスクが提供されるはずでしたが、Aさんの元に届いたのは「絹製」ではなく「ポリエステル製」のマスクだったそう。
Aさんはプロジェクト企画の内容を勘違いしたかと思い、サイトを確認し直しました。すると、紹介文に記載されていた「絹」という表記はいつの間にか消えていたのです。
結局、このサイトには他の支援者からもたくさんの苦情が寄せられており、Aさんも返金を要求したそうです。
当初は返信がなかったものの、「消費者支援機構に相談する」と抗議し続けると出資金は返金されました。
事例2
Bさんが出資したプロジェクトの当初予定されていたリターン品は特別冊子でした。
しかし、実際に送られてきた品は情報商材のネット本だったのです。
紙媒体が届くと思っていたのに、いざ届いたのはWeb媒体だとがっかりするでしょう。
プロジェクトが途中で中止する
クラウドファンディングの中には、プロジェクトが途中で中止してしまうケースもあります。
いくつか事例をご紹介しましょう。
事例1
2018年、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で、「バストが大きくて悩む女子のために下着を作りたい」という名目で「M」という中学生起業家が資金調達をスタートさせました。
2ヶ月の間で、81万円の資金が集まったものの、「私の知識不足で可愛い下着を作ることができませんでした。」と突然プロジェクトの中止を伝えてきたのです。
このケースでは返金の義務がないということで、中学生起業家「M」が集まった資金81万円を持ち逃げしました。
事例2
超小型のドローンを開発するプロジェクトでは、4億円以上の資金が集まりました。
しかしプロジェクトは大失敗に終わり中止。
全く満足する物はできず、会社は倒産しもちろん返金もされませんでした。
このように、すべてのプロジェクトが成功するとは限りません。
寄付金が予定されていた用途に活用されない
募金型クラウドファンディングは、Web上の募金箱です。
災害復興支援目的や難病を抱えている子どもを救うプロジェクトなどが多くみられますが、必ずしもすべてがその用途に活用されているかどうかはわかりません。
事例1
飼い犬の病気の治療費名目でクラウドファンディングを通じて資金集めをした20代の女性がいました。
しかし実は、クラウドファンディングを開始した時点ですでに犬は死んでいたのです。
支援金を募集したのは10月で、飼い犬は8月には病気で死去。
結局374人から計154万円をだましとろうとした女性は逮捕されました。
事件を起こした女性は「飼い犬の治療にかかった費用を取り戻すためにやった」と供述したそうです。
クラウドファンディング詐欺の見分け方
クラウドファンディング詐欺に遭わないようにするためには、どうすれば良いでしょうか?
ここでは、クラウドファンディング詐欺の見分け方をまとめてみましょう。
資金の使い道についての記載があいまい
プロジェクト内容の詳細を見ても、出資金の使い道についての記載がはっきりしていない場合には、注意が必要です。
一見魅力的に見えるプロジェクトでも、内容をよく読んでみると「大事なことが記載されていない…」という場合があります。
起案者の実態がわからない
クラウドファンディングの起案者の実態がわからないプロジェクトは危険です。
- 本名や会社名がわからない
- 使用している写真がすべて無料素材
- どんな人物なのかわかりにくい
内容がうすっぺらいにも関わらず支援金は高額に設定
プロジェクトがうすっぺらい内容にも関わらず、支援金を高額に設定している場合、怪しいです。
大型のプロジェクトで高額設定であれば納得できますが、金額設定に疑問を感じるものは避けておくべき。
また、「頑張って資金を集めて、プロジェクトを成功させたい!」という起案者の熱意が伝わらないものも気を付けましょう。
クラウドファンディング詐欺に遭ったらどうする?

クラウドファンディング詐欺に遭ったら、どうすれば良いのでしょうか?
ここでは、詐欺に遭ったときの対処法をまとめましょう。
詐欺にあった内容・証拠を残しておく
クラウドファンディングでは、インターネット上だけのやりとりになることが多いので、ネットに残る証拠はできるだけ残しておくべきです。
- 被害に遭ったクラウドファンディングサイト名
- 起案者の情報
- 実際に出資して騙されたページのURL
- 騙された内容が分かるページのスクリーンショット
- 起案者の氏名・連絡先などの情報
このような情報は、詐欺がバレると消えてしまう可能性が高いので、できるだけ早く残しておきましょう。
また、実際に被害に遭った内容がわかるものも残しておきます。
- 出資して騙し取られた金額がわかる振込履歴やクレジットカード明細
- リターン品の実物写真、約束されていたリターン商品の情報・写真など(当初のリターン予定品と別のものが送られた場合)
- 詐欺加害者とのやり取り記録(メッセージの履歴・スクリーンショット)
クラウドファンディングの起案者へ問い合わせる
クラウドファンディングの起案者へ連絡が取れる場合には、直接問い合わせてみましょう。
起案者に連絡する際には感情的にならず、問い合わせするようにします。
相手を怒らせてしまうと、すべての情報を消して逃げてしまう可能性が高いので注意が必要です。
以下のように、状況を確認する問い合わせが望ましいでしょう。
- プロジェクトの進捗はどうなっているのか?
- 届いたリターン品が当初の話と違う気がする
- リターン品が届かないのでどうなっているか教えてほしい
起案者から返答があった場合は、その返答内容も重要な証拠になるので、記録として残しておいてください。
クラウドファンディングの運営元へ問い合わせる
起案者に連絡が取れない場合には、クラウドファンディングを仲介する運営会社に問い合わせてみましょう。
運営会社側で起案者の情報がわかれば、教えてもらえるかもしれません。
クラウドファンディング詐欺の無料相談ができる窓口へ連絡する
自力で解決できない場合には、公的機関が提供する専門の相談窓口を利用してみましょう。
専門知識のある相談員のアドバイスを受けながら、今後の方針を定めることができます。
公的機関が提供する専門の無料相談窓口は、以下のものがあります。
- 消費者ホットライン
- 警察相談専用窓口
- 法テラス
無料相談ができる窓口であれば、費用を気にせずに相談できます。
このような窓口を利用することで、適切な専門機関を紹介してもらえますよ。
クラウドファンディング詐欺に強い弁護士や司法書士に相談する
クラウドファンディング詐欺に対して、「返金交渉をしたい!」「起案者に制裁を加えたい!」という場合には、弁護士や司法書士に直接相談してみましょう。
クラウドファンディング詐欺は、個人での立証が難しく問題解決が難航するケースが多いためです。
法律事務所の中には、ネット詐欺に特化している弁護士・司法書士もいるのでプロの力を借りて解決するのがおすすめです。
最近では、無料相談を実施している法律事務所も増えています。
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【まとめ】クラウドファンディング詐欺には注意!困ったらすぐに相談しよう
今回は、クラウドファンディング詐欺の見分け方や対処法について解説しました。
クラウドファンディング詐欺は年々増えています。
「せっかく出資したのに騙された…」と泣き寝入りせずに、詐欺行為に遭った場合にはすぐに相談しましょう。
起案者との返金交渉が難航している場合には、弁護士や司法書士への相談をおすすめします。
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